概要
今回は雨の日にバイクに乗る際の最重要アイテムの紹介です。
ヘルメットのシールドにフィルムを貼ってシールドを二重構造にして曇り止めをしようという製品です。
毎日仕事で1日中走り回っていますが、これを買って以来、梅雨でも冬の朝でも台風でも曇った事はありません。
私は雨の日のバイクに一番重要なのは視界の確保だと思っています。
濡れても我慢できるけど、見えないと死にますからね。
昔の曇り止めは酷かった!
若い頃は雨の日のバイクは憂鬱でした。
当時、1980年代には、シールドの曇り止めと言ったら、液体やクリーム状の曇り止めを塗るタイプしかありませんでした。
「これでも曇り止めなの??」って程度の効果しか無かった覚えがあります。
しっかり塗ってもしばらくすると効果が無くなったり、塗り方が下手だと表面が凸凹になって余計見にくかったり。
最初からシールドが二重構造になってる高級なメットも売ってたけど、当時はまだ珍しかった二重構造は高かったので若僧には買えませんでした。
高くてあまり売れなかったのか、暫くして廃盤になったようです。
ツーリングクラブをやっていた頃も「今1番欲しい物は、決して曇らないシールド」と、よく聞きました。
当時は「決して曇らないシールド」が無かったんです。
今使ってるシールドフィルムを買う前に最近の"曇り止めの液体を塗るタイプ"も安いので使いましたが、
昔のヤツより多少日持ちするようになったかな?という程度で、しばらくすると効果が無くなるのは昔のと同じでした。
昔の曇り止めとは雲泥の差
今は良い時代です。
後付けのシールドのフィルムが安く買えるんですから。初めて買った時は感激しました。
塗るタイプだと上手く塗っても塗った表面が多少は凸凹するんですよ。
そのせいで視界が歪んだり、晴れた時に乱反射したり、冬の雨の夜みたいな厳しい条件だと殆んど効果が無かったり。
フィルムタイプだと
- 大雨の冬の早朝のような悪条件でも視界が素晴らしくクリア
- 晴れの日にギラギラする事もない
- 長期間使い続けても、クリアな視界が全く変わらない
世界が変わるとはこの事です!
雨の日にしか効果が実感出来ない、と言えばその通りですが、その効果がメチャクチャでかい!日本は雨の多い国なので。
断言します。これは買う価値あります。
証拠写真!
冒頭にも貼った写真ですが、これは至近距離から息をハーッと掛けてワザと曇らせたんです。
下半分の口の辺りは見事に曇っていますが、すぐ上のフィルムが貼ってある部分は全く曇っていません!
凄くないですか!?普通、息をハーッなんてやったら、この下半分のように曇りますよね!
ここまでやっても曇らない程なので、
- 梅雨でも
- 冬の朝の大雨でも
- 直キャブの2ストで雨の日にプラグがカブって何度も押し掛けしたら息が切れた時でも
一度も曇った事はありません。
注意点
ただし、注意点もあります。
構造としては外側のシールドと内側のフィルムの間に空気の層を作って、外側と内側の温度差を緩衝して内側表面の結露が発生しにくくなる、という理屈です。
最近流行りの二重構造のコップに氷とカルピスを入れても水滴が付かないのと同じです。
なのでシールドとフィルムの間にある空気の層は密閉されていないと充分な効果を発揮しません。
OGKのピンロック式のヘルメットシールドの場合は、内側に取り付けるフィルムの縁をシールド側に取り付けられたピンで押さえる事で密閉される構造になっています。
押し付ける力はシールドの湾曲を利用します。
シールドを手で広げてシールドに元々付いているピンにフィルムを引っ掛けて、
手を離すとシールドの湾曲力で元の形状に戻ると同時に内側にあるフィルムはピンに押されてシールド側に圧着されるという構造です。
失敗談その1
一年くらい使っていたら、この圧着力が弱まってしまい、自分の息が隙間から入って曇るようになってきました。
てっきり「経年劣化だろう。一年でダメか」と思ってたんですが違いました。
原因は私の取り扱いが雑だったから。
内側のシールドを拭く時に強く拭くとシールド側のピンとフィルター側の樹脂部分が押し付けられて緩くなっちゃうようです。
解決策は汚れた時に力任せにゴシゴシ拭かない事。息をハーしてメガネクロスで優しく拭くだけで大抵の汚れは落ちます。
頑固な汚れでも石鹸で軽く擦るだけで落ちます。
緩くなったフィルムは「もうダメかな?」と思って買い替えようと思った矢先、ふと説明書をよく読むと、
このロックピン、回すと締め付け加減を調整出来るようです。
試しに少し締め付けてみると・・・
復活しました。写真は同じですが新品の頃と同等の密着具合に戻りました。
その後、シールド自体の小傷も増えて来た頃にシールドとフィルムを交換しました。
ピンの調整範囲には限りがありますが、そこまで緩くなる前にシールド自体の使用限界が来ると思います。
失敗談その2
という失敗をしてふたつめのフィルムを買いました。それを取り付ける時、説明書によると
ヘルメットから取り外したシールドを左右に広げて間隔が広がったロックピンの間にフィルムの切り欠き部分を挟み込みます。
すいません、両手で左右に広げているので写真無しです。
取り付け時には左右に広げたシールドですがフィルムを挟み込んだ後、更に密着させようと思って今度は逆に左右から押してシールドを強めに湾曲させてしまいました。
本来の使用状態以上にシールドを曲げたという意味です。これが大失敗!
フィルムはシールドより内側に装着する訳ですから、真っ直ぐに伸ばした時の全幅はフィルムの方が短くなります。
取り付ける前の新品状態ではフィルムの全幅を少しだけ長めに作ってあります。
するとフィルムをシールドに取り付けてヘルメットに装着する状態まで湾曲させた時に、長めに作った分だけシールド側に押されて圧着するという構造です。
つまり、シールドを広げてフィルムを嵌め込んだら、シールドをヘルメットに装着するまで「必要以上にシールドを曲げない方が良い」という事です。
このように紆余曲折ありましたが、
この強烈な曇り止め効果は捨て難いので3つ目のフィルムを買いました。
いい加減、取り付け方も扱い方も覚えました。
今回はピンの調整を緩めの状態にしてから取り付けました。新品のフィルムならこれでも充分に圧着します。
毎日仕事で使って3年経ちましたが劣化も無くクリアな視界を保ってます。
先程、強く拭くな!と書きましたが、しっかり圧着していれば多少強めに拭いても大丈夫でした。
フィルムは内側なのでそんなに汚れる事もありませんが。
今回紹介した商品のリンクはこちら
というわけで、雨の日に曇るのが困るという方には今回の二重構造タイプのシールド。気密性の高い物ならオススメです。
気密性が高いとはピンでロックして押し付けるから、そう簡単に緩まないという事です。
各社から似たような製品が発売されているようですが、ヘルメットメーカーから出ている物が安心だと思います。
アライ、ショウエイ、OGK等の国内大手メーカーです。
しっかり長期間圧着させる為の品質、即ち寸法、精度、材質、保管状態などをコストを掛けてでも管理する必要があるでしょうから。
そのコストを出せるのは大手メーカーという事です。
因みに私が使っているのは
ヘルメットはOGKのAVAND-2。OGKのライナナップ中では安いメットですが、その分構造が単純なので壊れにくいような気がします。
不具合があれば買い替えようと思って国内メーカーの中で安いのにしたんですが杞憂でした。
シールドやインナーパッドを交換しながら10年使っています。
アライとショウエイの方が有名ですが、OGKも結構いいですね。国内メーカーなので補修部品も問題ありません。2大メーカーよりちょっと安いし。
OGKのAVAND-2をAmazonで見てみる↓
このヘルメットに対応したシールドはOGKのSAJ-Pという型番のシールドです。
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そして今回紹介した曇り止めフィルムは上記のシールドに対応した「SAJ-P Pinlock®Original Insert Lens」という製品名です。
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まとめ
いやぁ、いい時代ですねぇ。
このフィルムと高性能なレインウェアのお陰で雨の日にバイクに乗る事が好きになりました。
バイク乗りって多かれ少なかれ変態なので、困難に挑むのが好きなんだと思います。
ウィリー・ドリフト・ジャックナイフに挑むのも困難への挑戦だけど「どんな悪天候でも走る!」というのも何故か興奮します。
私は仕事の日はもちろん、休日が大雨でも家族サービスがない日は走ります。楽しいから。
そんな私のような変態達への「生きて走り続ける為の魂のニトロ!」を装備して「雨って楽しいかも?」を実感して下さい。
では今回はこの辺で。
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