概要
今回はカブ70のフロントブレーキのケーブルを交換してみました。簡単に出来るだろうと思ってたら大間違い!大汗かいて手こずったので最終的に上手く行った方法を紹介します。
ウチのカブも5万キロを超え、ブレーキを握って放した時にスムーズに戻らなくなってきました。
ワイヤーの途中に曲がり癖が付いたとか、ケーブルの内側に入ってるチューブ(多分シリコンとか)が偏摩耗してきたんでしょう。
こうなるとケーブル内の清掃とグリスアップだけじゃ追い付かなくなったので新品に交換します。
初めてのカバードタイプ
今まで乗ってきたバイクはタイプこそ違えど、みんなブレーキケーブルやホースが剥き出しで交換なんて簡単でした。
カブはケーブルが車体の中を通っています。
とは言え「サービスマニュアル見ながら取り回しに気を付ければ楽勝だべ!」と余裕ぶっこいてました。
ところが・・・サービスマニュアルはもちろん、市販のスーパーカブのメンテ系の本(数冊持ってます)を見ても今回知りたい事が書いてない!
本に書いてあるのは、車体を全バラの状態から組み立てて他の細かいパーツを付ける前にブレーキケーブルを先に通しちゃうとか。
・・・全バラならそうでしょうけど。知りたいのは完成車のブレーキケーブルだけを最短で交換する方法な訳で。余計なパーツを外さずにね。
で、最初は行きつけのバイク屋さんから教わった方法を試してみたんだけど、聞いた通りにやるだけだと上手く出来ません(TT)
やっぱプロって手先が器用なんだろうな、と関心しながら悪戦苦闘!色々なやり方を試した結果「これなら多少不器用でも出来るだろ」という方法に辿り着きました。
因みに、先程のメンテ本には今回の方法は載ってませんでしたが、サービスマニュアルにはないノウハウが沢山載ってるので持ってて損は無いです。何度かお世話になりました。
特に鉄カブが好きな人にお勧めです。
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「スーパーカブパーフェクトメンテ」のエンジン編と車体編は86〜99年辺りのカブに対応しています。ウチのカブもこの年式です。
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準備する物
普通の工具以外に準備する物があります。紐です。まぁどんな紐でも良いんですが、適度に細くて丈夫な物が良いです。
私は荷造り用の紐を使いました。
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作業開始
とりあえず普通にバラして行きます。
- フロントホイール側のブレーキロックナットを外す
- フロントブレーキレバーを外す
- ブレーキレバーの根本に付いてるケーブルホルダーからケーブルを外す(取れ難ければ後からでも可)
ハンドルを外す
ハンドルを下から見ると12ミリのナットが左右にあります。これと・・・
ヘッドライトを外すと8ミリのボルトが見えます。これは1本だけです。
この3つを全て外します。因みに、
左右の12ミリナットにはワッシャーも付いてるので無くさないように。
するとハンドルが上方に取れます。ブレーキケーブルの取り回しを見ると・・・
かなり奥まった所にケーブルの通る穴があります。奥まっているせいで紐作戦が必要になったんです。
ワイヤーの上側に紐を縛り付ける
では紐の出番です。紐を長めに切って(切らなくても可)ワイヤーの太鼓の下に縛り付けます。
そのままケーブルの下側(ホイール側)を持って引っ張ると紐が下から出て来ます。
これでケーブルの替わりに紐が車体の中を通ってる状態になりました。
《最初は紐をホイール側に縛り付けてケーブルを上に引っ張ったんですが、写真中央の太くなってる所が引っ掛かってしまい駄目でした。》
下から出て来た紐を古いワイヤーから解いて新品のワイヤーの太鼓の下に縛り付けます。
紐を引っ張ると新品ケーブルが上側に出て来ます。
さっきの奥まった穴を通る時に引っ掛かる事がありますが、引っ張る方向を少しずらしてみて下さい。
ここまで来ればひと安心です。
清掃してから組む
せっかくバラしたので汚れを落としてから組みましょう。
フロントブレーキ関係で効きとタッチに影響が大きいのは
- ブレーキシューとカム周り
- ブレーキケーブル
- ブレーキレバーの可動部
辺りでしょう。ブレーキシューとカムはドラムの中なのでシューを交換する時にやりましょう。
ブレーキレバーの可動部とは太鼓との接触面とブレーキレバー自体の軸受けの2つです。
この軸受け、馬鹿に出来ません。指に直に感触が伝わるのでちゃんと掃除してグリスを塗ると明らかにタッチが変わります。
レバー側とシャフト側の両方を綺麗にしましょう。
因みに、汚れを落とす時はパーツクリーナーと歯ブラシとかで良いんですが、ワイヤー側の太鼓には樹脂パーツが嵌っています。
これを侵さないようにグリスはケーブル専用品、またはシールチェーン用ルブなどを使いましょう。
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また、今回は新品のケーブルなので出荷時にワイヤーにはグリスが塗布してある筈ですが、しばらく走れば劣化します。
その時の為にケーブルメンテ用のワイヤーインジェクターがあります。私は締め付けボルトがふたつのタイプに買い替えました。
ふたつのタイプは密閉度が高く、古いグリスをクリーナーで押し出す際の圧力が高い気がします。
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まとめ
今回はカブ70で紐作戦をやってみましたが、紐作戦は色々と応用出来そうな気がします。
車はもちろん、バイクのメンテでも「もう少し指が長ければ!」って事多いですよね。
バイク屋さんの作業を見ていると「よく手だけで出来るな!」って事も多いから慣れの問題かもしれませんが。
初めての部位のメンテが不安でバイク屋さんに頼んじゃうのは簡単だけど自分で出来そうな事はチャレンジしてみて下さい。
その方が愛着が湧くし「自分でやったんだ!」という充実感が気持ち良いです。
自分のバイクって派手なカスタムしなくても、洗車しただけ、チェーンに油差しただけでも何だか愛おしくなって用事も無いのに走りに行きたくなったりします。
私はバイクをメンテした後、必ず読みたくなるマンガがあります。湘南爆走族GT380ヒストリーっていうんですが知ってます?
エンジンが掛からなくなってしまったGT380。
エンジンを必死に修理して仲間も手伝ってくれて、やっとの想いでエンジンが掛かった時、涙が出るほど嬉しいあの気持ち!
たぶん作者さんも、そういう体験があるんでしょうね。私もよ〜く分かります。
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では今回はこの辺で。
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