概要
今回は「スロットルワイヤーを引きちぎれ」シリーズの2回目、70キロ制限の道をスーパーカブ70で全開走行した話です。
1回目のドリーム50(89cc)での東京一周快速ルートの記事はこちら↓
今回の場所は国道464号線の新バイパス、通称「北千葉道路」です。
私が知る限り、原付2種が走れる一般道で60キロを超える制限速度の道は首都圏ではここだけです。
栃木県には80キロ制限の一般道もありますが125cc以下は通行禁止だったと思います。
前回は羽田(無料足湯あり)を通りましたが、今回は成田の飛行機がよく見えるスポットに寄りました。
今回のルートは
道の駅いちかわ・国道464号線・成田空港・国道51号線・国道357号線・国道298号線・道の駅いちかわ
という千葉北部の大回りです。全行程約110キロ、所要時間は休憩を入れて5〜6時間程度のプチツーリングです。
グーグルマップでの道順データはこちら
今回は70キロ道路の話をします。成田空港の話は続編の別記事を書きます。
スタートは道の駅いちかわ
毎度おなじみの道の駅市川から出発します。
ここから今回のメインイベント「70キロ道路」までしばらくの間、普通の下道を走ります。
車の多い時間帯だとストレスが溜まるかも知れませんが、後でお楽しみがあるので少しの間の我慢です。
道順は前述のグーグルマップをご覧下さい。
地元スペシャル抜け道もあるんですが、あまりにも曲がる所が多くて慣れてないと余計に迷いそうなので今回の掲載は見送りました。
天国の入口
お待たせしました。我慢タイム終了です。
グーグルマップデータのA地点、鎌ヶ谷消防署前という交差点に着きました。ここから成田方面に曲がると旧バイパスに入ります。
新バイパス(70キロ道路)程じゃありませんが広くて気持ち良い道です。ここはまだ60キロ制限です。
天国
着きました!天国への分岐点です。右に分岐すると新バイパス「北千葉道路」です。
分岐点には原付1種はダメよ!の標識があります。原付1種とは50cc以下の白ナンバーのバイクです。
右に分岐すると早速ありました。70キロの標識!ここから遠慮なく上体を伏せてスロットル全開です!
さすが高規格道路。片側2車線ですが、有料道路並みにアスファルトの凸凹が少ないです。
おかげで5万キロ走ってフワフワしてきたカブ70のノーマルサスでも安心して開けられます。
この日の車の流れは走行車線は70キロ、追い越し車線は85キロくらいでした。
流れに乗ろうと頑張って開けたら追い越し車線の流れに乗る事が出来ました。
スリップに入るとスロットルを戻さなきゃならない程、予想以上に速度が乗るので嬉しい予想外!
普段は路地裏をチョコマカ走るのが仕事のカブなので、ここまで回す事は殆どありません。追い風でもないのにここまで上が伸びるとはちょっとびっくりしました。
チェーンの影響?
カブ70はホンダ公式サイトによると5.7馬力しかないはずだし、5万キロ超えてオーバーホール無しのフルノーマルエンジンなんですが結構イケますね!
普段のメンテはエンジンはオイル交換を早めにやる程度です。チェーンメンテはチェーンガードのおかげであまりチェーンが汚れないので忘れた頃にやる程度です。
チェーンが汚れている場合のパワーロスは10%以上にもなると昔、雑誌で読んだ気がします。サイクルサウンズだったかな?
以来、カブ用のチェーンやチェーンルブを色々試した結果、特にカブの場合は耐久性重視の選択の方がトータルで良かったので
今はD.I.Dの強化チェーンを使っています。これはノンシールです。強化チェーンとはプレートの厚みがスタンダードチェーンより分厚くなっています。
シールチェーンも使いましたが、カブの場合は強化チェーンの方が長持ちしています。シールチェーンと言えどシールが劣化すれば性能はノンシール以下ですからね。
恐らくですが、カブの場合はチェーンガードの恩恵でチェーンが殆ど汚れないのでシールチェーンに近い状態が保たれているのでは?
つまりシールで守らなくてもピンを潤滑しているグリスがあまり汚れないのでシールチェーンと同等のグリス鮮度が長期間保たれているんじゃないかな?という意味です。
シールが不要ならノンシールで良いのでプレートの分厚いチェーンの方が耐久性が上がります。
因みに新品状態で比較すればシール部分の摩擦が生じないノンシールチェーンの方がフリクションは少ないです。
レース用チェーンでノンシールを使う事が多いのはその為です。レースならチェーンは毎回交換しますからね。
ボアアップも結構ですがエンジン出力でなく後軸出力を出したいなら鍵となるのはチェーンとタイヤだと思います。
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そして雨天最強マシン!スーパーカブですからチェーングリスも雨天最強グリスを使いましょう。私が使っているのは、
バイク屋さんで勧められて以来愛用しているワコーズのビスタックです。
指に付けると普通のチェーンルブはヌルヌルしますが、ビスタックはベットベトです。
そのベットベトの指に水をかけて擦ってみて下さい。全然落ちないでしょ?これなら雨程度じゃ落ちません!
これだけ高粘度だと走行抵抗にならないかな?と心配になりますが、
走行中のチェーンの摩擦部分に掛かる極圧は指では再現出来ないほど高いので一般道を走るなら加速や最高速は変わりません。
厳密には1〜2キロ程度は落ちてるのかも知れませんが、そこに神経質になるより長期間に渡ってグリスが落ちずに金属面に強固にくっ付いてくれている事の方が公道用バイクでは重要です。
走行毎にフルメンテするレーサーとは優先順位が違います。
特にスーパーカブのような耐久レーサーをも凌駕する超耐久バイクなら尚更です!
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道路状況は高速道路
70キロ道路の話に戻ります。この道路は、
隣に京成電車の線路があり、たまにスカイライナー(都心と成田空港を結ぶ特急:最高営業速度160キロ)がブチ抜いて行きます。
この線路は成田へのアクセス時間でJRに圧勝する為に京成電鉄が大金掛けて作った高規格路線です。
70キロ道路はこの路線に沿って作られたので交差する道路も無ければ急なカーブもありません。
道路の状況は高速道路と同じです。この状況を見ると70キロという制限速度は大分控えめに設定してあると思います。
まぁ、それを言ったら新東名高速なんてまるでドイツのアウトバーンのように広くて真っ直ぐなのに制限130キロですからね。
フェラーリF40にブチ抜かれる!
スーパーカブ70のほぼ限界速度で気持ち良く脳内麻薬を垂れ流している時、後ろから「カアァーーン」という乾いたエキゾーストが聞こえて来ました。
「お?何か来た!」
すぐに上体を起こしてミラーを見ると遠くに光るハイビームと赤い影。
まだ距離があったので今なら邪魔にならないと思い、早めにウィンカーを付けて走行車線に戻ります。
私が走行車線に戻ったのを確認したのか、カン高いエキゾーストの回転数が上がる音が聞こえます。
数秒後、カアアァァ〜〜ン・・・というまるでF1中継のオープニング曲が聞こえてきそうなエキゾーストを響かせて抜き去って行ったのは、なんとフェラーリF40!
勿論、撮影する余裕などありませんでしたが、あの平べったい後ろ姿が目に焼き付いてます。
かつて公認車検レーサーに乗っていた身としては、ロードゴーイングレーサーのような乗り物に憧れる気持ちと日常での苦労がよく分かります。
F40なんかに乗ってれば、こういう道を走りたくなるでしょうね。心の中で「覆面、気をつけてね〜」と呟きながら見送りました。
70キロ道路の終点
しばらく走ると旧バイパスと合流して「ここから対面通行」と書かれた交差点に到着します。
この黄色い看板を見て、夢のような時間が終わったんだと実感しました。
もし夢の続きが見たい場合は、この交差点でUターンすれば反対側にも同じ70キロ道路があるので2度寝をどうぞ。
70キロ道路の感想
いや〜あ、気持ち良かった!!
はじめて原チャリに乗った頃、友達と一緒に深夜に集まって「何キロ出るかやってみようぜ」とかやったもんです。
あの頃の気持ちを思い出させてくれる道路でした。
大型バイクに乗っていた頃、ここには書けないようなスピードで東名高速や東北道や湾岸線を走っていた事もあります。
速度域が違うので緊張感とリスクは違いますが「このエンジンの性能を出し切っている」という高揚感は同じです。
そして走り終わってタバコに火を付けた時に普段より美味く感じるのも同じです。
70キロ道路で気持ち良いバイク
この道では走行車線の車も70キロくらいで流しているので、いくら原付2種でも
平地無風で65キロくらいしか出ないお猿さんでここに来るのは躊躇われます。
でもいいんです。お猿さんには「ゆっくり走った時の味」があるので、それを壊すようなチューンはしません。
モタードはカブ70よりパワーはありますが「日常域コーナーリング」で本領発揮するバイクなので得意分野が違います。
やっぱりコレで一度70キロ道路に来てみたいですね!
続編は成田ツーリング
この後は
この道を更に走って成田空港を通って東京湾に抜けるプチツーリングをしたんですが、70キロ道路はこれで終わりなので一旦区切ります。
スロットル全開でエンジンとの会話を楽しみたい人はここでUターンして70キロ道路を往復してみては。三京と同じシステムです。
そして続編では、このまま真っ直ぐ進み成田空港を通り東京湾に抜ける環状コースを紹介します。このページの最後に続編のリンクがあります。
まとめ
大型バイクに乗ってる頃「こんなにパワーあっても使えるトコ無いじゃん・・・」というのがストレスの一因になっていました。
高速道路に行けばスロットル全開に出来るシーンもありますが、少し全開にしてすぐ戻す・・・の繰り返しです。
すぐ戻さないと今時の高性能な大型車はすぐにとんでもない速度に達し、青い服を着て改造車に乗ったブルーギャングにカツアゲされます。
捕まる速度によってはカツアゲだけじゃ済みません。下手すりゃ免取りです!そしたら日常生活に影響するし職種によっては会社もクビです。
公道300キロに憧れる気持ちは痛いほどよく分かりますが、マンガや映画だから出来る事です。現実には事故以外にもリスクがデカ過ぎます。
そんな事しなくても楽しむ方法はあります。ゆっくり走れと言ってるんじゃありません。それじゃ満足出来ない人種が居る事もよく知っています。
マンガ「キリン」の一巻(だったかな?)に出て来た喫茶店の常連のオジサンが「内に向かうスピード」と言ってましたね。
「スピードメーターの数字に踊らされていないか?」とも。
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私も最初に読んだ時は若かったので意味が分かりませんでしたが、今は自分なりの解釈をしています。
スピードメーターの数字がどんなに低くてもドキドキ出来る方法はある!
というのが現時点での解釈です。その方法はひとつじゃありません。たくさんあるのでこのブログで少しずつ紹介したいと思っています。
では今回はこの辺で(^^)/~~~
この後、成田空港から東京湾に抜ける続編はこちら↓
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