概要
今回のテーマは雨とバイク遊びです。レインウェアの紹介はありません。
後半で雨の日にこそ出来るバイク遊びを紹介します。
バイク乗りは雨が嫌いです。
滑る、濡れる、蒸れる、汚れる、寒い、シールド曇る、景色悪い、チェーン掃除必須、とロクな事がありません。
バイクによっては
- ファンネルから雨吸ってオイルが乳化したり
- パワフィルが濡れてエンジン止まったり
- プラグキャップ内に水が溜まってエンジン止まったり
- ドライブスプロケットカバーの中で油を含んだ泥が固まってバラして擦らないと取れなくなったり
- ハンドルロックのキーシリンダーに泥が入ってハンドルロックがロックしたり
- ウィンカーとテールランプのレンズ内がチャプンチャプンになったり
- 漏電箇所が水滴で直結されてヒューズが切れたり
- ガソリンタンクの底部が錆びて穴が空いたり
- スピードメーターが曇って見えなくなったり
様々なミラクルが起こります。(全て体験談)
それぞれに対処法はあるんですが、それはまた別の記事で。
レインウェア選びや雨用グローブやブーツ、ヘルメットのシールドの曇り対策については別記事にまとめます。
雨だけど乗りたい
本題です。せっかくの休日が雨だった。でもバイクが大好きでバイクには乗りたい。そんな人への提案です。
雨の日にこそじっくりメンテしたり映画観るってのも得策だし楽しいんですが、今回は乗る事に絞ってみます。
ただ、車種によって、どんな乗り方が適してるか得手不得手があるので、アクセルターン編とのんびりプチツーリング編に分けてみました。
アクセルターン編
雨あ~め降れふ~れ雨の日は~
タ~イヤが減らな~い嬉しいな~
ア~クセルタ~ンにブレ〜キタ~ン
雨の日に私が鼻歌でよく歌う童謡です。
アクセルターン編はバイクを手足のように操ってみたいという方に向けた話です。
小さいバイクはウイリー、ドリフト、ジャックナイフのようなアクションライドの基礎を覚えるのに適した軽さを備えています。
雨の日に適した練習はタイヤを滑らせる系の技です。ドリフトは難易度が上がるので、まずはその土台となるアクセルターンです。
同じ滑らせる系でもブレーキターンになると、雨の日は滑らせるコントロールが難しくなるので、初めて練習するなら晴れた日の方が良いです。
アクセルターンはブレーキターンと違い、ずっと片足を着いているので早めに滑り出してくれる雨の日の方が簡単です。
アクセルターンの大雑把な手順は、
- 誰も居ない広い場所を探す
- クラッチを人差し指で握り1速に入れる
- 片足を大きく横に開き斜め前の地面に着く
- 足を着いた側にハンドルを大きく切る
- 体をやや前かがみにしてリアの荷重を抜く
- ステップが接地する程大きくバイクを傾ける。ケツは浮いても良い
- バイク支え易い位置に足の位置を調整する
- ステップに載せてる側の足は、膝をタンクに押し付ける
- スロットルを全開にする
- クラッチを素早くスパンと放す
- バイクが180度回頭したらクラッチを切りスロットルを戻す
こんな感じです。
これに適したバイクは一言で言えばオフ車、またはそれに近いポジションのバイクです。
オフ車やエイプやグロムのようにハンドルが幅広くて高い位置にある程楽です。
アメリカンバイクのフォワードコントロールみたいにステップが前に付いてるとオフ車よりはやり難いですがハンドルが高ければなんとかなります。
セパハンのバイクは1番難しいです。バイクを寝かせた時の重さが腕に掛かるのでオフ車に比べてかなりの腕力が必要です。
カブの場合はクラッチがシフトと兼用なので、バイクを寝かせる準備段階で右側に傾ければ一応可能です。
スクーターの場合は、かなりグリップの低い砂利の上等であれば可能です。パワーがある125より、軽い50〜80くらいの方がやり易いです。
ドリフトへの道
慣れると、寝かせて・ターンして・自然にバイクが起きる、までがスムーズに出来るようになるので、慣れれば腕力は殆ど要りません。
そしてブレーキターンからスムーズにアクセルターンに繋げられるようになればドリフトへの第一歩です。
晴れと雨のタイヤの減り方
晴れの日にアクセルターンの練習をした後の写真です。小型車の1速の回転数ならサーキット走行後のようにタイヤの縁に溶けたゴムの塊(通称アリンコ)が付く事はありませんが、アスファルトに擦れた後が沢山付きます。
こちらは雨の日。溝の端辺りの黒光りしている所がアクセルターンの跡です。摩擦力が少ないので浅い擦れ跡が付いています。
晴れの日と比べると浅いバンク角でもアクセルターン出来るのが分かります。
ブレーキターン
一応ブレーキターンの解説もしておきますが、晴れの日なら出来る人向けです。雨だと一気にツルッと来るので初めての方にはお勧めしません。
ブレーキターンは知ってる人も多いと思いますが、リアブレーキでリアをロックさせて、バイクを傾ければバイクがターンするという技です。
ブレーキターンと言うと、良く見かける解説が、極低速で走って来て、左足を出しておいてすぐに足を着けるようにしましょう、ってヤツです。
停止時に立ちゴケしちゃうようなら、これでも良いですが、少し慣れて来たらニーグリップする事をお勧めします。
ニーグリップの威力って凄いですよ。
タイヤが滑ると怖いのって、ツルッと一気に倒れちゃいそうで怖いんですよね。
でも、ニーグリップを強めにしっかりして、少し前に座って、頭の位置も多少前めにすれば、驚くほどコントロール性が上がります。
ステアリングヘッドの延長上に頭を置く事で頭が動かなくなり、ニーグリップによってバイクと体が密着して一体感が増すからです。
滑り出す瞬間、ブレーキの加減により、ズルっと滑り出したのか、ジリジリと滑り出したのか分かるようになります。
そしたら怖さは無くなり、楽しさだけになります。
私は雨や雪の日にブレーキターンしてみて、その日の滑り出した後の摩擦力を確かめたりしています。
フローティングターン
モンキー50のようにパワーが無くてギア比が低くて短くて軽量な場合、ブレーキターンやアクセルターンよりフローティングターンの方が簡単だったりします。
フローティングターンとは
- 停止して1速に入れて右足はブレーキペダル
- ウイリーの要領でクラッチミート
- ウイリーと同じようにハンドルは後方に引く
- フロントアップはウイリーのバランスポイントよりもう少し高くまで上げる
- 後ろにグラッと来そうな高さになったらブレーキで止める(慣れれば省略可)
- 後ろに倒れそうになるバイクのハンドルを空手の巻き込み投げの要領で左後方に引く
- バイクは自分の右側をクルッと180度回頭して着地
と言う技です。
フローティングターンの練習方法
慣れない内はサドルを下げた自転車でやってみて下さい。
片足を着いてスロットルの代わりにペダルを踏み込んでハンドルを引けばフロントアップするので、バク転しそうになった自転車を180度ブン回して着地させるだけです。これでイメージが掴めます。
スタンディングスティル
あとは天気とはあんまり関係ないけどスタンディングスティルとかね。これが出来ると信号待ちですら楽しくなるし、Uターンやちょっとした一時停止まで、全ての動きが安定して乗るのが楽しくなります。
のんびり編
のんびり編では小難しいライティングテクニックとかどうでもいいから、のんびりと雨の中を走ろうよ、という話です。
ツーリング先で雨が降って来ちゃったとか、目的地に向かって移動してるのに雨に降られた、とかじゃなく、敢えて雨の日のバイク散歩を楽しもうって事です。
全開でカッ飛ばしてこそ気持ち良いバイクはあまり向きません。
雨と言えばレッグシールドやチェーンケース等、防雨装備が完璧なカブの得意分野ですが、
しっかりしたレインウェアがあるならモンキーやJAZZのようなゆったりリラックス系のバイクもいいもんです。
雨の楽しさ
雨のバイクの楽しさって何でしょうね。
あなたはキャンプに行ったりテントや寝袋で寝た事はありますか?
キャンプの魅力って、大自然の中で様々な困難を道具の力を借りながら克服し、家に居ては味わえない充実感を満喫する事だと思います。
雨のバイクもそれに少し似てる気がします。
快適性だけで言えばキャンプするより、綺麗な温泉旅館に泊まってフカフカの布団で寝た方が圧倒的に快適です。
でも、それじゃ得られない達成感と感動は、ある程度の困難を乗り越えた時に生まれます。
一部のバイク乗りの中には、初日の出を見る為に、大晦日に北海道の宗谷岬にツーリングに行く人達が居ます。
宗谷岬と言えば日本の最北端です。
雪国に住んでる人ならともかく、雪に慣れてない人にとっては、冬の北海道なんてツーリングというよりアドベンチャーです。
私も若い頃は「雪中チャレンジツーリング」なんてアホな事をやった事もあるので、過酷の後の達成感はよく分かります。
私自身、まだ初日の出宗谷岬は行った事ありませんが、いつか行ってみたいと憧れてます。
少し話が大袈裟になりましたが、困難を克服する喜びもあると言いたかったんです。
私は普段、東京の街中を仕事や遊びで走ってます。
とりあえず東京の悪天候程度であれば、雨でも台風でも別に気にならない、という程度には悪天候に慣れました。
たまに東京にも雪が降ります。雪国の雪とは比較にならない量ですけどね。でも雪が降ると嬉しくなります。
雪が降るとはしゃぐ子供のような気分です。昔はオフ車、今はカブですが、カブは雪にも強いのか?を試すチャンスでもあります。
どっちにしろ、仕事で乗らなくちゃいけないんだから、どうせなら楽しみたいです。
休みの日でも用事が無ければバイクに乗ります。どんな天気でも。
雨の日って不思議なんですよ。雨の休日に、車の少ない広い道をのんびり走ってると、
メットに当たる雨音の他に、晴れの日には聞こえないバイクの音、エンジンの内部の音だったり、タイヤやチェーンの音だったり、色んな音が聞こえるような気がするんです。
気のせいだろ?と言われればそうかもしれませんが、雨用セッティングと称してキャブのエアスクリューを少し回してエンジンが軽くフケたりすると、何だか嬉しくなります。
ビッグキャプとチューニングエンジンだと難しいです。雨の日に晴れと同じようにエンジンの吹けを良くするのは至難の業です。
雨でも調子を崩さないバイクなら、悪天候だからこそ、いつまでも走っていたい。そんなドMな感覚に襲われた事が何度もあります。
そして、当たり前ですが、雨の日はバイクスポットが空いてます。
バイク用品店に行けばガラガラなのでソファーに座ってマンガを読んだり、バイカーズカフェに行けば客は自分だけだったりします。
雨の日のバイカーズカフェの温かいコーヒーは絶品です。
そんな時に、カフェのマスターとゆっくりバイクの話をすると、自分の知らない事を教えてくれたりして思いのほか楽しかったりします。
雨の日にしか味わえないバイクの楽しみを是非感じてください。バイクが更に楽しくなると思います。
雨の日に観たいバイク映画
彼のオートバイ彼女の島という映画をご存知の方も多いでしょう。カワサキWⅢに乗るコウが雨の中、ズブ濡れになったシャツを脱ぎ捨て温泉にジャポンと飛び込むシーン。これ、私も経験ありますが幸福感絶頂!です。オープニングのWⅢの三拍子アイドリング「タカタンタカタン・・」も聴いててウットリします。
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